ある子
上で睡眠障害云々の話をしましたが、私はもう病気自体がだいぶ良くなってるのです。
突然泣いたり暴れたり赤ちゃん帰りもしないですしね。
今は教室の同じ年の子が大変なので、色々その子に協力しようとしているのです。
もう人の心配できるくらい良くなりました。
その子（仮にAとしましょう）は最近、傍から見て分かるくらい目が虚ろで視点が定まってなくて、突然疲れた感じに肩を落とすのです。
元から人に対して気を遣いすぎるところがあって、それで疲れてるのかなとも思ったのですが、そういう感じではなくて、もう全てがどうでもいい様な、何にも構わないような目で。
おかしいと思って他の子（B）にAの話をしたらBもやっぱり同じことを感じていて、その日はずっとAについて話をして、その後Bは私にメールで「母さんにAの話をしたら、Aはうつなんじゃないか。」と送ってきました。
Bの父親もうつで*1今のAは父親の症状に幾つか似ているところがあるんだ、と。
確かにAもうつの傾向がある事は自分で自覚してたみたいで、病院へ行けるならば行きたいと言っていたこともあるのですが、前に私が市でやっている心の相談を勧めてみたところ、「めんどくさい」と言われて終わってしまったのです。
病院に行けるならば行きたいと言っていた理由は、Aの母親が病院へ行くのをあまり快く思ってない上に、Aの家は色々複雑で、Aの母親が働け（か？）なくて収入が無いので、税金が払えなくて保険証が使えない状況にあるからだとか。
その他にもAには小さい頃母親と父親が離婚して、全員父違いの兄弟が二人、しかもその兄は無職の同人屋。
それに前にその兄の友達に襲われそうになって、その友達は今でも家に遊びに来るんだとか。
その兄の友達だけじゃなくて、義理の父親に乳吸われたり、Aは色んな男の人（主に変態）に付け狙われたりなんかがしょっちゅうあるんですが。
私だったら耐えられない様な環境の中でAは生きていて、その生活でのストレスはかなり大きいみたいで、この家から早く出たい。と、Aはよく言っていました。
それでも彼女は教室で皆に対して明るく優しく振舞っていたのですが、最近はそれすら出来ない、もしくは空回りしていて、見てられないのです。悲しくて。
私はBと相談してAに「最近のAはおかしい。一度でいいから病院かそれと同じ様なところに行こう。そこで話した方がいい」と勧めて、結果前に一度断られた市の心の相談に行くことになりました。
しかしAは「行きたいから行く」のではなく「これだけ勧められてるんだから行かなくちゃ行けないのかな」と思ってこの事を受けたらしいです。
その事を聞いて、余計な事をしてしまったのかな、と今でも思います。
けど今のAを見ると放っておけないのです。
Aは自分に起きた事実は言うけれど、本心は誰にもを言おうとしないのです。いつだって独りの様で。それがまた私は悲しくて。
岡崎京子の「リバーズ・エッジ」で
「私達は本当の事を隠すために延々と下らないお喋りをしていたんだ」*2
みたいな台詞がありましたが、教室が終わった後、良い子は帰る時間の夕焼け小焼けがなったその後も、暗くなるまで毎日のようにお喋りを繰り返していたのに、結局のところAの事を何も分かってあげられないし、Aもずっと本当のところは隠し続けるんでしょう。
私も本当の事はずっと隠しているのかもしれない。
